カメイ美術館について

世界各国の蝶、表情豊かなこけし、絵画、彫刻などの数々/自然が育んだ生物の美しさと人の手が作り出すアートの世界

仙台市に本社のある総合商社カメイ株式会社の創業90周年を記念して設立された
財団法人カメイ社会教育振興財団の事業の一環として、平成6年9月に開館。
鱗翅生物、伝統的民芸作品及び絵画作品等の展示公開を行なっております。
(開館時はカメイ記念展示館としてスタート、その後、平成23年11月にカメイ美術館に名称変更いたしました。)

絵画

浅井忠、梅原龍三郎、安井曾太郎、中川一政、藤田嗣治、小磯良平ら日本近代絵画の黎明期を作り、発展を担ってきた作家たちの風景や人物などの具象画を中心に、20世紀初頭の絵画運動で活躍したモーリス・ド・ヴラマンク、ジョルジュ・ルオー、ラウル・デュフィなどの作品を展示しております。現在展示している作品については、展示案内(トピックス)をご覧ください。

蝶

財団設立代表者 亀井文蔵が60年以上にわたって収集した世界各地の蝶の標本約14,000頭を、地域別に展示しています。中には当館以外ではあまり見ることのできない珍しい蝶や、世界最大・最小の蝶なども含まれています。また他にも、ヘラクレスオオカブトなどの甲虫類の標本約1,300頭や、100種類以上の蝶の翅で宇宙をイメージした作品「宇宙賛歌」も展示しています。

こけし

こけしは、東北地方固有のもので、ひとつひとつがその地方独特の特徴をかねそなえています。当館では当財団理事 亀井昭伍が収集してきたこけしを中心に公開しています。戦前(大正から昭和10年代)の有名こけし工人の古作こけしを中心に、その伝統を継承する工人達の秀作を加えたコレクションです。現在展示している作品については、展示案内(トピックス)をご覧ください。

ごあいさつ

蝶に魅せられて半世紀

私は学生時代、虫カゴと捕虫網を手に一日中野山を駆け回っている少年でした。生まれ育った塩竃の山々には蝶が多く、その種類によって習性が違うことなどを知るようになり、蝶の魅力に引き込まれていきました。休日には蝶を追って近くの山野を散策し、帰宅すると採集した蝶の標本づくりに励みました。海外にも蝶を求めて、度々出掛けました。東南アジアのジャングルは蝶の宝庫ですが、マラリア、虎、ヒルなどの危険も有り、何度か怖い思いもいたしました。そんな中で憧れの蝶を採集できた時の感激は忘れられません。"杜の都"仙台は大都市には珍しく緑の多い街ですが、最近は周辺の自然環境が悪化して、動植物にとっては好ましくない状況になっています。豊かな自然の恵みは私たちの生活になくてはならないものであることを、見つめ直していきたいものです。ここに展示された蝶が、お子さんたちが自然に親しむための第一歩となり、動植物や昆虫を守り育てる一助になれば幸いと存じます。

亀井文蔵

こけしと私

こけしは、東北地方固有のもので、江戸末期の文化・文政期(1804~1830)に木地師が創り出したといわれています。私が子供の頃、当地ではこけしを「木ぼこ」と呼んでおり、どこの家にもある身近な玩具でした。戦後、鳴子に住む漆工家の伯父を訪ねた時に二人のこけし工人に出会い、各地を転々として廻った木地師の苦労話を聞き、胸を打たれたものです。また、畏友・土井嘉光氏に頂いた「こけし・人・風土」(鹿間時夫著)という本も、私がこけしに魅せられるきっかけになりました。それから50数年、こけしのとりこになった私は、戦前、戦後のこけしを収集してまいりました。東北六県に分布するこけしは、その地方独特の文様や表情をしています。最小限の空間の中に古来の東北人の顔・文化・風土を表現しており、東北の誇る文化的財産と言えましょう。私の収集品の一部をここに展示し、皆様にこけしの素晴らしい魅力の輪郭を感じて頂けれは、望外の喜びでございます。

亀井昭伍